• 敦賀の地酒復活に向けて試飲するプロジェクトメンバー=6日、小浜市の小浜酒造
  • 試飲会では、敦賀真鯛の天ぷらや刺し身などとの相性を探った
  • 小浜酒造を見学するプロジェクトメンバー=6日、小浜市
  • 小浜酒造で瓶詰めされて保管されている日本酒
  • 小浜酒造を見学し、酒造りの行程を聞くプロジェクトメンバー=6日、小浜市の小浜酒造
  • 黒河しいたけとサバのへしこのバーニャソースをかけたクラッカー。相性のいい日本酒を探った
  • 敦賀真鯛や敦賀ふぐのたたきや天ぷらに合う日本酒の味を探った試飲会
敦賀の地酒復活に向けて試飲するプロジェクトメンバー=6日、小浜市の小浜酒造

 2024年春の北陸新幹線敦賀開業を控え、福井県敦賀市内の有志による“失われた敦賀の地酒”の復活を目指すプロジェクトが始動した。敦賀真鯛(まだい)や敦賀ふぐ、昆布のうま味を生かした料理など磨き上げが進む敦賀の食を彩る日本酒の完成を目指す。

 江戸時代の1624年創業で近年まで敦賀唯一の酒蔵だった敦賀酒造は2005年を最後に酒造りをやめ、のちに廃業している。プロジェクトは市タウンマネジャー、阿部さんが「敦賀の地酒で新幹線を迎えよう」と呼び掛けて始まった。市の第三セクター港都(みなと)つるがや、市内の飲食店、酒小売店、農業者、漁師らが参画。最終的には敦賀の米と水で日本酒を仕込み、同酒造のブランド「福寿杯」や「気比正宗」の名前を継承するか、新ブランドを立ち上げることなどを検討している。

 6日には小浜市内で唯一の地酒「わかさ」などを引き継いでいる酒造会社「小浜酒造」を見学し、具体的な酒造りのプロセスについての説明を受けた。また、プロジェクトメンバーの漁師、石川さんが調理した敦賀真鯛や敦賀ふぐの刺し身や天ぷらなどを食べながら「わかさ」など試飲し、敦賀の食を際立たせる味を探った。試飲の結果、▽やや辛口ながら淡麗な飲み口▽アルコール度数高めの濃い口▽柔らかい飲み口―の3種類を用意する方向を確認した。

 資金調達にはクラウドファンディングも活用する方針。復活させた敦賀の地酒は、新幹線開業イベントでの鏡開きや、市内飲食店での継続的な提供、全国的にも多くの寄付を集めている市のふるさと納税返礼品としての活用につなげたい考え。

 阿部さんは「敦賀の地酒は新幹線開業を迎える上で、足りなかった最後のピース」と重要性を指摘。「来春に田植えができれば、敦賀の米と水を使った敦賀生粋の地酒が新幹線開業に間に合わせることができそうだ」と意気込んでいる。

 プロジェクトでは担い手を幅広く募っている。問い合わせは港都つるが=電話0770(20)0015。

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