野村館長(左)や村上さんらが作製した英語版の内外海地区案内マップ=小浜市西小川

 新型コロナウイルス収束後のインバウンド需要回復を見据え、福井県小浜市内外海地区で民宿を営む女将(おかみ)らが、地区を英語で紹介するマップを作製した。地区内14集落のグルメや催しなどを説明している。女将は「都会にはない良さをたくさん知ってもらえたら」と外国人観光客が再び訪れる日を心待ちにしている。

 同地区の民宿ではコロナ禍以前は外国人客が増え、内外海公民館は女将らを対象に2019年度から英会話教室を開いてきた。新型コロナの影響で一時は中止されたが、昨年度から教室を再開。北陸新幹線敦賀開業を控えていることもあり、同館の野村館長がマップ作製を提案した。

 女将らは14集落それぞれの紹介文をまず日本語で考え、教室の時間を使って英訳。教室の講師に添削してもらい完成させた。

 A3サイズで「Welcome to Uchitomi」と書いた表面は、地区全体の地図に漁や祭りの様子、フグやカキなどの写真を並べた。裏面に紹介文を載せ、甲ケ崎は「日本で初めてゾウが上陸した」、田烏は「サバの刺し身やへしこが特においしい」などと説明。「王の舞」や、矢代に伝わる県無形民俗文化財の「手杵(てぎね)まつり」といった伝統芸能にも触れている。

 100枚作り公民館や民宿などで活用する。同市西小川で民宿を営む女性は「地方ならではの自然やのどかさ、海の恵みをしっかり味わって帰ってほしい。これがあれば、地区の大体のことは分かってもらえるはず」という。野村館長は「今後は民宿で出す料理の説明カードなども増やしていきたい」と話した。

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