• 杉箸アカカンバを使った東欧諸国の伝統料理ボルシチ風のスープ「ツルシチ」を開発した敦賀高創生部の生徒=17日、同校
  • 野菜のうまみとほどよい酸味がマッチした「ツルシチ」
杉箸アカカンバを使った東欧諸国の伝統料理ボルシチ風のスープ「ツルシチ」を開発した敦賀高創生部の生徒=17日、同校

 福井県敦賀市の伝統野菜「杉箸アカカンバ」を使い敦賀高創生部の生徒が開発を進めてきた東欧諸国の伝統料理ボルシチ風のスープ「ツルシチ」が完成し11月17日、同校で商品発表会が開かれた。市のふるさと納税の返礼品に加わる予定で、生徒は「商品を通して人道の港としての敦賀の歴史を多くの人に知ってほしい」と期待している。

 同部はポーランド孤児やユダヤ難民を受け入れた市の歴史を伝える資料館「人道の港敦賀ムゼウム」で館内ガイド活動を行っている。

 地元野菜の魅力を伝え東欧との絆を強めようと、ボルシチで使われている赤い根菜ビーツの代わりに杉箸アカカンバを使ったスープの開発に2月に着手した。レシピ開発は生産組合代表の男性と共同で行い、同校近くの河村学園料理教室の協力も得た。

 杉箸アカカンバのほか、豚肉やタマネギ、ジャガイモ、ニンジン、トマトなどが入っていて、野菜のうまみとほどよい酸味がマッチした味わいになっている。レトルトパウチタイプで1袋220グラム。

 パッケージは市内のデザイン会社「東雲デザイン」にサポートしてもらい完成させた。レトロな字体で「ツルシチ」と大きく書かれ、れんが調やポップなスープの絵などでデザインされている。裏面では人道の港・敦賀の歴史や、杉箸アカカンバの特徴、創生部について紹介している。

 商品発表会では生産組合代表や同館の西川明徳館長らがスープに舌鼓を打った。敦賀高創生部の部長は「自分たちの力だけでは完成までたどり着けなかった。商品で平和の尊さや敦賀の魅力が広く伝われば」と願い、生産組合代表は「高校生が本当に一生懸命やってくれた。敦賀を代表する商品になったらうれしい」と期待を寄せた。

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