
高浜町:棚田と海
高浜町は、若狭湾国定公園に指定された日本海ならではの高い透明度の海と、約8kmにわたる遠浅で白砂青松の海岸が自慢の町です。
高浜町の歴史は古く、奈良の平城宮跡から出土した荷札木簡(荷物を送るときにつけた荷札 )『贄札(にえふだ)』の中には、現在の高浜町から多比鮓(鯛のすし)を献上したことを記された木簡が発見された事から、都との物流・交流が盛んであった事が伺えます。
また、リアス式海岸特有の地形にある日引地区には「日本の棚田百選」に選ばれた棚田があり、棚田から見渡す若狭湾は日本の原風景ともいえる環境を今も保っています。 この、姿を消しつつある棚田には、実は様々な機能が隠されています。
どんな知恵と機能があるのか調べてみましょう。
姿を消しつつある棚田の多面的機能とは ~ みんなで調べてみよう ~
日本から姿を消しゆく棚田 平地の水田との違いとは
日本全国の棚田は、姿を徐々に消し始めています。
その理由を現在の平地の水田と比較して考えてみましょう。

農道・農業機械
地滑りや洪水等の災害が発生しやすい国土 それを防ぐ機能とは
地球は水の惑星といわれていますが、陸上生物が利用出来る淡水比率は、全体の0.01%未満です。(淡水比率2%のうち、大部分は南極、北極の氷山であるため)現在、世界の約7億人が水不足の状況であるのに対して、日本は急峻な山と森林のお陰で、毎日の水に困る事は殆どありません。
しかしその反面、急峻な山が多いため大雨が降ると地滑りや洪水等の災害が発生しやすい国土でもあります。
それを防ぐ機能に森林と棚田(水田)があります。

水の浸透速度・傾斜・調整池・
首都圏外郭放水路
棚田に住む生き物
棚田(水田含む)には絶滅危惧種の3割にあたる生き物がいるといわれていますが、生息環境と生態系について調べてみましょう。
海に面した棚田保全と漁業の密接な関係
高浜町日引地区の棚田が耕作放棄となった場合、荒廃による土砂の流出が懸念される状態になります。
もし大規模な土砂崩れで土砂が大量に海に流れ出ると、そのエリアの磯は土砂で覆い尽くされ、高浜町の沿岸漁業のひとつであるタコ漁は、大きな影響を受けます。
このように、海に面した棚田保全と漁業は密接な関係にあります。では、高浜町で獲れるタコの習性と漁の仕方について調べてみましょう。
現地で実験!タコ網漁
マダコの大好物はカニやエビですが、基本的に何でも食べる悪食です。
タコ網漁で使用するエサは、カニやエビ以外でどのようなエサが一番獲れるか、みんなで考え、現地で実験してみましょう。
タコが擬態する仕組み
タコは非常に賢く、ある実験では、ビンのなかにマダコの好物を入れて、人間がタコの前で蓋をしてみせると、それを見たタコは吸盤を使って蓋を開けるほどです。
同様に、外敵から身を守る際には、非常に巧妙な擬態をします。
タコが擬態する仕組みについて調べてみましょう。

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