• 3年ぶりの海開きを控える気比の松原海水浴場=29日、敦賀市松島町
  • 昨年に続き海開きする水晶浜海水浴場=29日、美浜町竹波
  • 7月9日に海開きする若狭和田ビーチ=27日、高浜町和田

 福井県嶺南6市町にある主要な43海水浴場のうち、今夏は昨シーズンの2倍となる32海水浴場が開設される。観光事業者からは地域経済活性化へ期待の声が上がる一方、新型コロナウイルス感染拡大への不安も依然強く、バーベキューを禁止したり、浜茶屋出店がないところも多い。

 高浜町では、8海水浴場のうちブルーフラッグを取得している若狭和田など6カ所が7月9日に海開きする。地元の民宿経営者は「若狭の海を楽しみにしている県内外の人たちを迎えたい」と心待ちの様子。海水浴場開設を協議した「安心・安全な海構築会議」の会長は「コロナに対する受け止め方も少しずつ変わってきている。感染への不安もあるが、若狭の海の魅力をどんどんPRしていきたい」とこちらも期待感は大きい。

 一方でコロナ感染への警戒感も根強く、バーベキューを認めない動きや浜茶屋の開設もコロナ禍以前より少なそうだ。

 8カ所のうち7カ所を開設する小浜市では、例年認めていたバーベキューを検討中とした。県外客が訪れることもあり、市担当者は「3年ぶりの開設で開放感が高まることが予想される。感染リスクなどを考えると判断が悩ましい」と吐露する。

 気比の松原(敦賀市・海開き7月16日)では、バーベキューを禁止とし、浜茶屋の出店もない。長井浜(おおい町・同14日)でも、バーベキューはできない。水晶浜(美浜町・同2日)はバーベキューは禁止だが、浜茶屋は3店舗ほど開かれる。

 無人島の水島(敦賀市・同9日)は入島人数の制限により感染対策を進める。平日で800人、土日祝日は1500人を目安とする。

 新型コロナの感染などを理由に開設しない海水浴場も11に上る。3年連続で海開き中止を決めた早瀬(美浜町)について早瀬観光協会の会長は「集落の高齢化が進んでおり、感染対策を徹底して観光客を受け入れるのは困難」としている。

 ▶開設を予定していない海水浴場は次の通り(6月29日現在)。

 五幡、江良、名子(敦賀市)丹生、ダイヤ浜、早瀬(美浜町)塩坂越(若狭町)田烏(小浜市)袖ケ浜(おおい町)はまなすパーク、難波江(高浜町)

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