ダンスのプロリーグ「Dリーグ」で優勝した「KOSÉ 8ROCKS」のTETSUさん=23日、敦賀市本町1丁目

 ダンスのプロリーグ「Dリーグ」の2021―22シーズンで、福井県敦賀市出身のTETSUさんが所属するチームが優勝した。2024年パリ五輪で初実施されるブレイクダンスの出場を目指す24歳は「ダンサー人生で一番うれしい経験で、自信が付いた」と喜んでいる。

 TETSUさんは6歳の時に同市のダンス教室でヒップホップを学び始めた。8歳からはブレイクダンスに転向。17年には全国から200人以上が出場した大会で優勝した。ダンス仲間の誘いを受け、19年に上京。国内屈指のブレイクダンスチーム「FOUND NATION(ファウンドネーション)」に加わり、日々技術を磨いている。

 2季目となったDリーグの21―22シーズンには企業母体の11チームが参加した。TETSUさんはブレイクダンスチーム「KOSÉ 8ROCKS(コーセーエイトロックス)」の一員として出場。昨年11月~今年5月に都内で行われた全12ラウンドのレギュラーシーズンで3位となり、6月5日に行われた6チームによるトーナメント戦のチャンピオンシップ(CS)へ駒を進めた。

 1季目もCSへ進出したが初戦の準決勝で敗れただけに「チーム一体となり、優勝しか考えていなかった」。1回戦、準決勝とも全9票中8票を獲得して快勝。決勝は20―21シーズンの優勝チームとの対戦となり、チームは息の合った迫力のあるダンスを披露。TETSUさんも手足をダイナミックに使って踊りきり、7―2で頂点に立った。

 「大会に向けた努力が報われて涙が止まらなかった」と優勝が決まった瞬間を振り返るTETSUさん。「レベルアップや認知度向上のため、これからは個人でももっと大会に出場したい。努力を積み重ねた先にパリ五輪出場も見えてくるはず」と意気込む。

 優勝後、敦賀市に戻り、ダンス仲間と会ったり、福井市で講師として小中学生に指導したりした。TETSUさんは「県内のダンス人口は多い方ではないが、頑張っている人はたくさんいる。福井のダンス界を盛り上げる存在になれれば」と表情を引き締めた。

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