核をアコヤガイに入れる従業員=23日、おおい町犬見の間宮真珠養殖場

 きめ細かく美しい色合いが人気の真珠「若狭パール」の核入れ作業が、福井県大飯郡おおい町内で本格化している。今月末までに約8万個の核を入れる予定で、冬には深い光沢のある真珠が出来上がる。

 間宮真珠養殖場(同町犬見)では、5月中旬から真珠の元を、母貝となるアコヤガイ体内に入れる「核入れ」作業を行っている。今季は三重県から取り寄せたアコヤガイの数量がプランクトンなどの餌不足により少なく、昨年試験的に実施した核の2個入れを行っている。

 6月23日は、同社作業場で従業員3人が核入れ作業を行った。直径6センチほどのアコヤガイに専用器具で卵巣に切り込みを入れ、直径3ミリほどの二つの核と、1ミリ四方に切った細胞「外とう膜」を移植していった。1日平均約1100個のペースで行う。

 従業員は「昨年2個入れしたアコヤガイでは、貝の中で核の位置が固定され巻き(真珠層の厚さ)が2、3ミリ太くなった。良質な真珠が期待できるのでは」と話す。

 核入れ後の貝は、いかだに1カ月ほどつり下げ体力を回復させた後、沖合に移される。フジツボなどの付着物を洗浄しながら12月まで育てる。
 

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