• 築80年を超える古民家を改修した辻一憲さん=若狭町相田
  • モノ作りなどが楽しめる「かやぶきベース」
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築80年を超える古民家を改修した辻一憲さん=若狭町相田

 用意された木材や道具で自由にモノ作りが楽しめる施設「KAYABUKI BASE(かやぶきベース)」がこのほど、福井県若狭町相田にオープンした。気軽にDIYを楽しめるほか、レンタルスペースもありイベントや会議などで使うことも可能。建築業を営む合同会社「木創(もくそう)」(同町関)が空き家だった築80年を超えるかやぶきの古民家を改修したもので、代表は「課題となっている家を活用し、地域活性化に生かしたい」と話している。

 同町には300軒以上の空き家があるといわれ、不法侵入などの犯罪リスクや倒壊によるけがの恐れがある。同社代表の辻さんは「現場で働く作り手としてできることはないか」と考えていたとき、今回の空き家を紹介され、モノ作りの楽しさを普及させようと計画した。

 国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選ばれている熊川宿で古民家改修工事などに携わる辻さん。「虫食いの跡もデザインの一つ」と、できるだけ古材を残した。昨年6月に着工、今年5月1日に完成した。

 かやぶきベースは木造平屋建て約100平方メートル。木づちやのみなどの手道具から卓上丸のこやインパクトドライバーまで、約20種類50点以上の道具がそろう。同社が手掛ける工事現場で出た角材や木板、ガラス板などの材料や自然塗料も自由に使え、約40平方メートルのクラフトルームで椅子、棚など思い思いの木製品を作ることができる。おしゃれなフォトルームもあり、オンラインショップ出品用に撮影することもできる。

 教室やイベント、会議でも使用可能。約20平方メートルのオープンスペースにはキッチンや冷蔵庫もあり、長時間でも対応できる。

 今後、月1回程度のアロマクラフトやせっけん作りなどの体験講座も予定。辻さんは「手作りの喜びや価値を知ってほしい」と話していた。

 利用時間は平日午前9時~午後5時、土日祝日は午前10時~午後4時。年末年始と夏期休業。使用料金は1時間1500円、1日3千円。貸し切りは1時間1500円、1日5千円。いつでも利用できるメンバー制度もある。別途保険料が必要。問い合わせ、申し込みはLINEの公式アカウントから。

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