「若越城の会」の約30年の歴史のうち、発足から10年目の活動内容を振り返る企画展=美浜町佐柿の国吉城歴史資料館

 3年前に解散した「若越城の会」の活動を振り返る企画展「若越城の会30年の歩み(1)」が福井県美浜町佐柿の若狭国吉城歴史資料館で開かれている。約30年間活動したうち、今回は発足から設立10年目までを紹介。会報をはじめ、見学会で訪れた県内外の城のパンフレットなど約30点が並ぶ。7月24日まで。

 同会は、1987年に発刊された「福井県の中・近世城館跡」に県内で推定700カ所の城があるとの記載を受け、恵まれた地域で議論する場を設けようと翌年に発足。当初は県内の城郭研究家や愛好家ら100人以上が在籍し、全国232カ所、県内82カ所の城を見学したほか、城の全体像を図解する「縄張り図」の作図方法を学ぶなど精力的に活動していた。しかし、若い会員が集まらず2019年に解散した。

 同資料館が城に特化した展示内容であることや、同会の総会の場として使われたことから、同会は30年分の数百点の資料を同資料館に寄贈。来年1月まで計3回の企画展を開き、寄贈品などから活動を振り返る。

 展示では県内外の城見学会の様子などを紹介。越前朝倉氏の家臣が築いたとされる「疋壇城跡」(敦賀市)は織田信長の北陸侵攻で廃止された歴史や、沖縄では城内に礼拝所があり「中国の影響を受けていると感じた」など、当時の会員のコメントもある。

 このほか、一乗谷朝倉氏遺跡の復原町並の整備経過が分かるパンフレットや、会報「若越の城館」の複製を手に取って見ることができる。月曜休館。入館料大人100円、中学生以下50円。

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