「地域の人の笑顔を守りたい」と話す小川さん。左は最優秀賞に選ばれた動画の一場面=小浜市食文化館内の若狭工房

 福井県小浜市出身の映像作家でカメラマンの小川浩之さん(48)=福井市在住=が制作した小浜の伝統工芸をPRする動画が、内閣府のクールジャパンコンテストの動画部門で最優秀賞に輝いた。職人の思いを、小浜ならではの多彩な祭りの映像を交えて紹介。「新型コロナウイルス禍でも伝統に目を向けてもらい、継承を後押しし、人々の笑顔につながる動画を撮りたかった」と喜んでいる。

 動画のタイトルは「匠(たくみ)が護(まも)る伝統工芸 その技と未来」で、5分56秒の内容。若狭塗、若狭めのう、若狭和紙などの伝統工芸職人集団「若狭工房」の依頼で昨春から撮影を始め、昨年12月に完成した。若狭工房のホームページや動画投稿サイト「Youtube」で公開している。

 若狭塗、若狭めのうの職人4人が登場。若狭塗では、模様付け、金箔貼(きんぱくは)り、石研ぎ、磨きといった工程に神経を研ぎ澄ます職人の姿を収録。「漆が薄すぎると模様が立たず、厚すぎるとしわが寄る」「漆の表面だけをこすりとるように」といった匠の技を職人自身が解説している。後半は、箸研ぎを体験する子どもや外国人の生き生きとした様子を紹介している。

 地蔵盆、放生(ほうぜ)祭、お城祭りといった小浜ならではの伝統行事、祭りの映像を織り交ぜ、豊かな文化と歴史が根付く土地柄も感じられる内容になっている。

 コンテストは、新型コロナウイルス禍でインバウンド(訪日外国人客)が減少する中、日本の魅力を発信する動画やキャラクターを募集しようと初めて開催。動画部門には全国から242件の応募があった。

 内閣府知的財産戦略推進事務局の担当者は「伝統を地域と匠が守っていることを上手に表現している。外国人の視点を紹介していることも高い評価につながった」とした。

 若狭工房の青野英夫代表(63)は「動画が最優秀賞に輝き光栄。工房として一層頑張りたい」と励みになった様子。小川さんは「地域に元気になってほしい、生まれ育った小浜の文化を大事にしたいという思いが原動力になった。伝統工芸が地域の求心力となる後押しができれば」と語った。

 動画は新型コロナの感染収束後、諸外国にある日本大使館の催しで上映される予定。

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