• 丁寧な下処理が施された寒ブリ「ひるが響」=16日、美浜町日向
  • 丁寧な下処理が施された寒ブリ「ひるが響」=16日、美浜町日向
  • 丁寧に血抜きされる寒ブリ
  • ひるが響
  • 「ひるが響」にするため活け越しした寒ブリ
丁寧な下処理が施された寒ブリ「ひるが響」=16日、美浜町日向

 美浜町と町漁協がブランド化を進める同町日向(ひるが)で水揚げされた寒ブリ「ひるが響(ひびき)」の出荷がピークを迎えている。下処理を徹底して施したものだけを厳選しており、さらりとした脂や上品なうまみは例年人気を呼んでいる。同町漁協職員は「寒さが強まり身が一段と引き締まってきた」と、作業に追われていた。

 同漁協によると、若狭湾は暖流と寒流がぶつかり合う好漁場で、魚のエサとなるプランクトンが豊富。日向は常神半島が風よけとなり、脂の乗る冬場でも大型の定置網を仕掛けることができるという。県水産試験場によると、日向の寒ブリの水揚げ量は県内の約8割を占めるという。

 町などは水産資源を活用した地域活性化などを目的に、ひるが響(ひびき)のブランド化を進めており、3年前に商標登録した。脂が乗る11月下旬から1月末まで日向漁港で水揚げされた8キロ以上で、生かしたまま陸に揚げる「活(い)け越し」、生臭さを抑える「血抜き」、鮮度を保つ「神経締め」の3段階の処理をしたものだけがひるが響(ひびき)として出荷される。

 昨シーズンは約5千匹上がったうち、ひるが響(ひびき)として出荷できたのは約60匹。処置を施す同漁協職員の谷口芳哉(よしちか)さん(60)が「船上での活け越しに手間が掛かり、数を多く出せない」と話す貴重な食材だ。

 谷口さんは16日、いけすで5日以上泳がせ胃を空にし臭みの元をなくした体長約1メートルの4匹を処理。エラを切っていけすで泳がせたほか、約20分間ひもでつるし徹底して血を抜いた。頭に穴を開け神経などを破壊し、身を引き締めるために氷入りの海水に30分間沈めた後、次々とラベルを貼っていった。

 今年も福井市中央卸売市場や関東圏の居酒屋などに約60匹出荷予定。谷口さんによると、ひるが響(ひびき)はリピーターが多く、口コミなどで認知度も上がりつつある。「今後も魅力を発信し、町民にも愛される食材になるよう普及させていきたい」と話していた。

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