県内で唯一確認されている「木喰仏」(右)など、高浜の匠の技が鑑賞できる企画展=高浜町郷土資料館

 弥生時代から現代にかけて、高浜で作られた優れた美術工芸品を紹介する秋季企画展「匠と巧-想(おも)いを形に-」が29日まで、福井県高浜町郷土資料館で開かれている。土器や仏像、組子細工など精巧、精密な技術で生み出された28点が展示されている。入場無料。

 初公開となる土師(はじ)器のつぼは今夏、和田地区にある弥生時代後期から古墳時代前期の和田諏訪遺跡で出土した。ほぼ完全な形で見つかり、首の部分のくびれや曲面が美しい。同町小和田の二子山3号墳の石室内で見つかった古墳時代後期の須恵器は、シカの首の飾りが付いた全国でも珍しい意匠だ。

 同町関屋の円福寺に伝わる木喰仏(もくじきぶつ)は、町指定文化財の阿弥陀如来像。木喰と称して全国の寺を復興し、自作の仏像を奉納した行道上人(ぎょうどうしょうにん)の作で、県内唯一とされている。南北朝時代の木造弁財天坐像(ざぞう)は、高さ23センチと小さいが着衣の彫りが細かい。

 木工芸作家で、2016年に「現代の名工」に選ばれた土本内浦氏の組子作品も多数展示。菓子器や紙箱など、1ミリ以下の部材などで精密に組み立てられている。全長約3メートルの奉納和船「明神丸」は、佐伎治(さきち)神社に納められた北前船の模型。船大工が細部まで精巧に作り上げている。

 担当した文化財専門員の安倍義治さん(62)は、「損得勘定や虚栄心なく、匠が生み出した作品は千年以上も前から伝わっている。優れた技巧、作品一つ一つに込められた思い、歴史の重みを感じてもらえれば」と話している。

 開館時間は午前9時~午後5時。16、24日は休館。問い合わせは同館=電話0770(72)5270。

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