• 集落内にそびえる名田庄城。姫路城をモチーフにしている=おおい町名田庄下
  • バーカウンターで来城者と語らう城主の渡邊さん=おおい町名田庄下
  • 「BAR NATASHO」を開く城主の渡邊さん=おおい町名田庄下
  • バーカウンターで来城者と語らう城主の渡邊さん=おおい町名田庄下
  • 縁側に設けたバーカウンターに立つ渡邊さん=おおい町名田庄下
集落内にそびえる名田庄城。姫路城をモチーフにしている=おおい町名田庄下

 こよいは城で語らいませんか-。おおい町名田庄下にそびえ立つ“名田庄城”に、同町の地域おこし協力隊員の渡邊敢太さん(24)が移り住み、城主を宣言。いろんな人が集う場所にしようと、毎月ぞろ目の日にバーを開いている。「人のつながりが増えて、新しい、面白いことが生まれるきっかけづくりになれば」と“登城”を歓迎している。

 名田庄城は、鉄筋コンクリート3階建ての民家。城好きだった地元出身の女性が1988年、姫路城をモチーフに“築城”したが、約20年間城主不在だった。

 渡邊さんは大阪出身で昨年4月に着任。当初アパートに住んでいたが、空き家に住んだ方が協力隊としての役目を果たせると思い引っ越しを考えていたところ、名田庄城を借りられることを知った。最初は遠慮していたが、次第に「城に住むというだけで一つ話題がつくれる。それに友人をはじめ町内外からいろんな人が来てくれるのでは」と決心した。

 4月に城に引っ越し、6月ごろから名刺の肩書に「城主」と入れ始めた。人が出会う場としてバーを企画し、お酒が飲めるところが少ない名田庄地区のにぎやかしになればとも考えた。

 バーは午後7時ごろから。1階の計14畳の部屋にテーブルやいすを並べ歓待。縁側にわずか2席のバーカウンターを作り、ビールサーバーも用意する凝りよう。カウンターのいすは、大工の父の手作り。食べ物は自分で持ってきてもらうシステムだ。初開催の9月9日は10人前後が訪れ、渡邊さんの狙い通り初対面の参加者同士が知り合いになった。

 渡邊さん自身は酒に強い方ではないが、人と出会い話すことが大好きだという。「おおい地区にも名田庄地区にもいい人がいっぱいいるのに、まだまだつながっていないのはもったいない」。町を盛り上げるには人が大切という「人は城、人は石垣」の精神で、城主としての責任感を新たにしている。11月は1、11日にバーを開く。
 

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)