順調に育った甘トウガラシ。緑色がつやつやして輝いている=30日、おおい町名田庄小倉

 福井県小浜市やおおい町、若狭町の農家たちが今年から、甘トウガラシの特産化を目指し試験栽培に取り組み初めての収穫期を迎えている。おおい町の畑では緑色がつやつやと輝き、生育は順調。出荷作業に汗を流す農家は「今年の長雨でも収量はあり、甘みとこくがある」と手応えを感じている。収穫は10月まで行われる。

 甘トウガラシは辛みが少なく、甘みがありみずみずしいのが特徴。京野菜の「万願寺とうがらし」という名前でも知られている。

 新たな特産野菜候補を探していたJA福井県若狭基幹支店が大阪の市場から提案を受けた。県の補助を受けて苗を無償配布し、5月から試験栽培を始めた。3市町の農家6軒が計約10アールで栽培している。

 おおい町名田庄小倉では、木村秀樹さん(66)が5アールの畑で270本の苗を育て、6月末から収穫に忙しい。30日は妻の久江さん(61)と2人で腰をかがめ、高さ約70センチの葉の陰に隠れた甘トウガラシを探し、長さ10~20センチ前後で太く育ったものをはさみで切り取った。「柔らかく、大きいのでピーマンより食べ応えがある。炭火で焼くのが一番」と秀樹さん。ただ「収穫は結構腰にくるね」と苦笑する。

 1キロ(35本ほど)ずつ箱詰めしている。市場に出荷する場合は一定の長さがあり、真っすぐという規格を満たさなければならないため、「曲がらないよう工夫しないと」と本格出荷に向け試行錯誤を重ねる。

 同支店園芸振興課によると、今年の出荷数量見込みは2トン。同支店直売所のほか大阪の市場に出荷している。担当者は「市場の反応、農家の感想から手応えが得られれば、来年から本格栽培に乗り出したい」と話し、生産者や栽培面積拡大を図りたいとしている。

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