• 水上さんが集めた一流画家たちの作品が並ぶ収蔵品展=おおい町岡田の若州一滴文庫
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水上さんが集めた一流画家たちの作品が並ぶ収蔵品展=おおい町岡田の若州一滴文庫

 福井県大飯郡おおい町出身の直木賞作家、水上勉さん(1919~2004年)が集めた絵画を紹介する前期収蔵品展が、同町岡田の若州一滴文庫で開かれている。文化勲章受章者、絵画界の大家ら一流の作家の22点が並び、水上さんの高い審美眼や、幅広い交友関係がうかがえる。7月13日まで。

 前期展は当初3月11日に開幕。5月11日までの予定だった。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ほとんど来館者のないまま4月から休館した。作品展を見ることができなかったという声が寄せられ、5月21日の再開に合わせて改めて展示することにした。

 水上さんと、水上作品の挿絵、装丁画を手掛けた画家の計8人の作品と、各画家に対してつづった水上さんの文章を紹介している。

 日本画家で、文化勲章受章者の故秋野不(ふ)矩(く)さんの作品は3点あり、中でも青々としてさわやかな栗林の絵が目を引く。水上さんは秋野さんの作品に触れ「秋野先生の絵に諸行を感じてきた日を忘れていない」「感電死しそうだった」などと記している。

 舞台美術の第一人者、故朝倉摂さんの「月夜」は、夜空に浮かぶ満月と、その下にうずくまる動物が描かれ、幻想的な雰囲気が漂う。水上さんが竹紙に描いた「達(だる)磨(ま)の縄跳び」は、だるまがジャンプするひょうきんな姿と、竹紙のでこぼこした質感が合わさって趣深い。

 学芸員の下森弘之さん(42)は「水上さんは高い審美眼を持っていた。その根本は、自分も楽しみながら絵を描いていたからだろう」と推察する。「絵だけでなく、その背景にある水上さんとの関係性に目を向けると、展示が一層楽しめる」と話していた。

 入館料300円(中学生以下と70歳以上は無料)。火曜休館。

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