着物文化を発信するMATOUを立ち上げた(左から)中野さんと山田さん、石井さん

 福井県敦賀市在住の女性らがこのほど、着物文化や着付けの魅力発信を目的とした一般社団法人「MATOU」を立ち上げた。インドネシアの大学生に着付けを教えるなど、海外での活動を本格化させており、「単に着方を教えるだけでなく、和装文化の魅力を国内外に伝えたい」と意気込んでいる。

 MATOUは、着付け教室を主宰してきた中野裕子さん(51)=同市中央町2丁目=と石井ミユキさん(51)=兵庫県西宮市、呉服など卸売りの山田染織工芸(越前市)の山田忠司社長(42)=同市=の3人で組織した。

 同じ着付け講師として親交のあった中野さんと石井さんが、2年前に知人の紹介でインドネシアで開かれた日本との国交樹立60周年を祝う催しに呼ばれ、出席者の着付けや着物ショーを手掛けた。これを機に年に1、2回、インドネシアを訪れ、駐在邦人らの着付けを手伝うようになった。

 「もっと着物文化を広く発信したい」と、2人が取引のあった山田さんを誘って着物の魅力発信へMATOUを設立。3月末には着付け教室を閉じ、活動に専念することにした。

 着物の魅力は「日本の精神性を集約している」と話す中野さん。例えば、祝いの席で帯を二重結びにすることで、喜びを重ねる意味があることなどを挙げ「相手のために装いで思いを表現する奥ゆかしさがある」という。そういった着物文化を知ってもらおうと、2月には日本語で演劇に取り組むインドネシアの大学生に着付けを指導。さらに同国で開かれた天皇誕生日の記念式典では、出席者の着付けなどを行い、着物の良さをアピールした。

 新型コロナウイルスの感染拡大により最近は活動を自粛しているが、中野さんは「コロナが収まれば、海外に和装文化の魅力を伝えていきたい」と意気込む。併せて国内でも着物文化を発信していきたいとしており、近く敦賀市内にMATOUの拠点を設け、出張型着付け教室を行っていく。

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