• 宮川さん夫妻(右)から大師像の入った厨子を受け取る沢田さん=21日、小浜市竹長
  • お大師さんがやってきた
  • 厨子に納められている弘法大師像=21日、小浜市竹長
  • 小浜市竹長区の各世帯を巡る弘法大師像が入った厨子=21日、小浜市竹長
宮川さん夫妻(右)から大師像の入った厨子を受け取る沢田さん=21日、小浜市竹長

 福井県小浜市東部にある竹長区で、弘法大師像が1カ月ごとに各世帯を巡る風習「回り大師」が、脈々と受け継がれている。新型コロナウイルス感染症が拡大する中でも静かに続けられ、21日には次の家へ、厨子(ずし)に入れられた大師像が運び込まれた。家の中に祭ることで家内安全、無病息災の御利益があるとされ、区民は「新型コロナの終息を願いたい」と話していた。

 毎月21日になると、お供え物の菓子と花を添えて次の家に送る習わし。「お大師さん」と呼ばれて区民に親しまれ、十数世帯を巡っている。

 いつ始まったか不明だ。旅の僧侶が区民からもてなされたお礼に像を贈ったという説と、1泊した後に大師像と厨子を置いて姿を消したという説がある。大師像は高さ20センチほど。赤茶けた衣をまとい左手に数珠を持っている。厨子は高さ約60センチ、幅、奥行きとも30センチ程度。

 この日は午前7時ごろ、宮川克彦さん(53)が大師像が入った厨子を、妻の真貴さん(53)が菓子と花を持って、隣の沢田孝子さん(75)宅を訪ねた。受け取った沢田さんは「いつも、よくお越しくださいましたという気持ちで拝んでいる」。座敷に祭り、毎朝ご飯とお茶と線香を供えるという。「仏さんにも毎日祈っているが、お大師さんにも新型コロナが終息するようお願いしたい」と話した。

 竹長区がある宮川地区や若狭町には、「回り地蔵」という似たような風習が伝わっている。

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