• 地元産のスギによる割り箸作りについて話し合う住民ら=敦賀市杉箸
  • 地元杉材を使った箸をアピールするメンバーら
  • しし鍋を囲み、地元杉材を使った箸の原料調達や生産体制などについて話し合うメンバーら=10日、敦賀市杉箸
  • 地元杉材を使った箸のサンプル
地元産のスギによる割り箸作りについて話し合う住民ら=敦賀市杉箸

 福井県敦賀市杉箸の住民が、地名にちなみ地元産スギを使って箸を製造、販売しようと取り組んでいる。4月中には間伐材を使って割り箸を量産する考えで、山林を守りながら箸作り体験会などを開催し、地域活性化を試みる。

 杉箸は40世帯が住む静かな山間地。大昔、敦賀湾に海賊が押し寄せた際、都から訪れた仲哀天皇が村人にスギの箸を川に大量に流させ、味方を大群に見せかけて追い払ったという言い伝えが地名の由来とされる。

 今年に入り、箸製造業を営む浦谷剛人さん(49)=小浜市=が伝承を耳にし、「杉箸の地で箸を作ったら面白い。集落の活性化に役立つのでは」と発案。地元の住民グループ「杉箸元気会」に話を持ちかけると、荒れた山林の整備にもつながると会員5人が賛同、箸部会を立ち上げた。

 2週間に1回程度、しし鍋を囲んで製造方法などを話し合い、周囲の山からスギの間伐材を調達するなど準備も行った。浦谷さんが無償で貸し出した成形用の機械などを使って、地元のスギ材で試作品を製作。長さ25センチ、幅1センチほどの味のある割り箸に仕上がった。箸袋の表に「杉箸」、裏面に伝承を記した。

 今後は製造方法を研究し、4月中に量産する計画。伝承を伝え杉箸に興味を持ってもらうほか、割り箸作り体験会なども開いて観光客も呼び込みたい考えだ。部会の川崎稔彦さん(72)は「誇りある杉箸の山を守りながら、集落に興味を持って訪れる人が増えてほしい」と意気込む。販路や技術の支援を行う浦谷さんは「集落の魅力アピールにつながるようたくさん作ってほしい」と見守っている。

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