スタートを切るAコースのランナーたち=19日、小浜市竜前

 小浜市と京都を結ぶ鯖街道約72キロを走破する「鯖街道ウルトラマラソン」が人気だ。山道を走りきり、市街地にゴールする変化に富んだコースが魅力。難易度は高いが着々とファンを獲得し、愛称を付けられるほどの大会に成長している。25回目を迎えた今年は5月17日に開催。約半分の約43キロを走るBコースは、申し込み開始からわずか8分で、全行程を走るAコースも1週間で“満員御礼”となった。

 京都のトライアスロンチームが主体となって実行委員会をつくり、1995年から開催している。若狭からサバを運んで京都に来た先人の歴史をたどろうとしたのがきっかけ。

 事務局は「こんなマニアックな大会に人が来るだろうか」と半信半疑だった。しかし第1回大会で約250人が参加すると、徐々に口コミで人気が広がり、Bコースを新設した。ここ数年は毎年2コースで定員いっぱいの計千人が参加。今年は1月31日に申し込みが始まった。Bコース(先着400人)は開始8分で、Aコース(同600人)も2月6日に定員に達した。

 新緑の山道を走り、登山感覚も楽しめる。しかし軽い気持ちで参加すると痛い目を見る難コース。熱中症が続出し、転倒することもある。「それすらも楽しんでもらうタフさが必要」(事務局)。あまりのつらさに、途中で泣き崩れるランナーもいる。

 それでも定員割れすることなく、参加者の半分以上はリピーター。ファンの間ではAコースは「本サバ」、Bコースは「半サバ」の愛称で親しまれている。京都府の40代男性は「景色が素晴らしい。スタートからゴールまでそれぞれのドラマがある」。ほかにも「走る前に思っていたよりも過酷。でもまた戻ってきます」などの感想が寄せられている。「前日は小浜の海鮮とお酒が楽しめる」という声も。

 1回目の大会から運営に携わってきた実行委の山根一人さん(60)=京都市=は「ここまで大会が続けられるとは思わなかった」と喜ぶ。先人がサバを塩漬けにし、腐らせないよう運んできた苦労、努力してきたことを走る前に知ってほしいという。「歴史の道を走っているという感覚が芽生えて、きっと面白さが深まるはず」と話した。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。)