全て手描きの遠敷マップを掲げる赤尾さん(左)と仲野会長=小浜市遠敷公民館

 主事さんはイラスト上手-。昨年12月に完成した福井県小浜市遠敷地区の散策マップが愛らしいと評判だ。遠敷公民館主事の赤尾和美さん(59)=同市=が製作を依頼され、自分で実際に歩いて掲載する名所、見どころを厳選。地図はすべて手描きの労作だ。「遠敷への興味をくすぐり、歩いてもらう入り口になれば」と話している。

 マップの発行は15年ぶり。県立若狭歴史博物館(当時は若狭歴史民俗資料館)のようにリニューアルしている施設があるなど修正が必要になり、遠敷ふるさとづくりの会が刷新を企画した。

 昨年4月に主事に就いた赤尾さんは、前職は印刷会社で勤務し、編集、デザインに関わっていた。子どもの頃からイラストを描くのが好き。主事になってからは公民館だよりで地区の人々を似顔絵で紹介し、よく似ていると話題になっていた。そこで赤尾さんに白羽の矢が立った。

 「地図を作るなら、自分自身が行ってみないと」。同会から依頼を受けた赤尾さんは、仕事の合間を縫って名所を訪ね歩いた。お水送りの舞台、鵜の瀬がある遠敷川上流までバスで行き、資料写真を撮影。周囲のきれいな景色を調べながら、5時間掛けて歩いて公民館に戻ったこともあるという。筆先0・1~0・5ミリのペンを使い分けて線に強弱をつけ、色鉛筆で着色。調査期間も含め、依頼からおよそ8カ月かかった。

 簡略化した道路沿いに萬徳寺、国分寺などが描かれている。若狭姫、若狭彦神社の説明には祭られている神様の絵を添え、鯖街道にはサバを担いで歩く人を描くなど、かわいらしいデザインが地図を引き立てる。「珍しい種類やステキな野鳥がいっぱい」「千年杉のパワーに圧倒される」と散策した感想も寄せている。自然、パワースポット、歴史など好みに応じたコースを提案している。

 赤尾さんは「遠敷には地図に収まりきらないくらいすてきなところがあり、どれを載せるか迷ったが、詰め込みすぎないよう気を付けた」という。依頼した同会の仲野實会長は「想像以上の出来栄え」と喜ぶ。

 マップは3千部発行。A4判の三つ折りサイズ。遠敷公民館をはじめ若狭姫神社、JR東小浜駅、道の駅「若狭おばま」、若狭歴史博物館などで配っている。問い合わせは遠敷公民館=電話0770(56)1101。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。)