古気候学や花粉学など年縞研究に関わる分野の海外の研究者らが情報交換した「国際年縞研究会」=23日、若狭町鳥浜の県年縞博物館

 年縞(ねんこう)研究や、それに関わる花粉分析や放射性炭素年代測定などの国内外の研究者が情報交換する「国際年縞研究会」が23日、福井県若狭町鳥浜の県年縞博物館で開かれた。それぞれが行っている最先端の研究を紹介しながら、さらなる研究推進の可能性を探った。

 年縞は水月湖のほか国内外で発見されており、世界各地で分析が進められている。年縞博物館には展示施設のほか、水月湖年縞を使った最先端研究を進める立命館大古気候学研究センター福井研究所が併設され、研究拠点としての機能も備えている。

 国際年縞研究会は、年縞博物館で進む研究成果を海外の研究者と共有し、その推進を図ろうと、県と立命館大が企画。海外の研究者を集めた研究会を年縞博物館で開くのは初めて。

 花粉学や古気候学の世界的権威であるジャック・ルイ・ド・ボーリューさん、放射性炭素年代測定の専門家リチャード・スタッフさん、年縞研究第一人者の中川毅・立命館大教授、同大福井研究所に常駐している山田圭太郎研究員ら10人が参加した。

 放射性炭素を使って年代特定するための換算表「イントカル」は現在、水月湖年縞がデータの半分以上を占めている。年内にデータが更新されるが、スタッフさんは、更新では鍾乳洞の分析データが反映される見込みと説明。一方で、鍾乳洞は放射性炭素の濃度に誤差が生じるため「抽出されるデータの精密さは水月湖年縞が優れている」と指摘した。

 山田研究員は、年縞などの堆積物から花粉を抽出する機械「セルソーター」により、年縞博物館の研究所の年代測定精度が向上、より効率的に研究を進めていることなどを説明した。

 研究会の後、中川教授は「水月湖年縞は研究が一段落したように思われているだろうが、より精密なデータを求めて現在も研究は進んでいる。世界の研究者に、水月湖年縞の研究や博物館をアピールできてよかった」と話した。

 研究会は24日も開かれる。午前9時から正午まで。見学無料。問い合わせは県年縞博物館=電話0770(45)0456。

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