• シカ肉のタコライスを笑顔で味わう児童=1月21日、福井県小浜市の西津小
  • 給食で出されたシカ肉のタコライス。チーズを盛り付けて食べた
シカ肉のタコライスを笑顔で味わう児童=1月21日、福井県小浜市の西津小

 福井県小浜市内の小中学校で1月21日、野生鳥獣肉を使ったジビエ給食が始まった。24日にかけて全11校で提供する。市は有害鳥獣の影響を学ぶ総合学習に力を入れており、命の大切さを学ぶ食育と合わせてジビエ給食を導入。児童や生徒はシカ肉のタコライスに舌鼓を打ち、有害鳥獣の存在や影響を身近に感じるきっかけにしていた。県内自治体で全小中校での提供は県内初という。

 市は2012年度から、市内小中学校を対象にした「山から海へのつながりとケモノに関する総合学習」を実施。有害鳥獣による農作物被害のほか、山の下草や木の食害により土砂の流出を招き、海や川にも影響することを教えている。捕獲した鳥獣を無駄にせず、命のありがたさを実感する食育も兼ねて、14年度からジビエ給食を始めた。

 昨年度は3校だったが、本年度はいっそう取り組みを広げようと、全校実施を企画。市の依頼を受けた市内レストランオーナー、高野滋光さん(51)がタコライスを考案した。昨年7月に調理実習が開かれ、各校の給食調理員が作り方を教わった。

 給食で使ったのは、嶺南で捕獲され美浜町の施設で加工したシカのひき肉。タマネギ、ニンジン、シイタケ、レンコンと炒め、臭みが出ないようカレー粉やカレールー、ケチャップで味付けした。給食では児童がスライスチーズをちぎって盛り付けた。

 初日は3校で提供した。西津小では校庭にシカが現れることはあるが、ジビエ給食は初めて。2年の女子児童は「シカっておいしいのかな」と食べる前は不安だったが、食べやすい味付けに箸が進み、「また食べてみたい」と満足した様子。6年の男子児童は「豚や牛の方がおいしいと思っていたが、負けないくらいうまい」ときれいに平らげていた。

 市はジビエ給食を窓口に、各校で総合学習の実施を働きかけていく。

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