樽上げされた美浜町特産のへしこ=10日、同町日向

 美浜町特産「へしこ」の樽(たる)上げがシーズンを迎えている。昨冬から潮風が入り込む船小屋でじっくりと漬け込まれたことで、うまみがぎゅっと凝縮されているという。10日には、日向区の民宿女将グループ「女将の会」の4人がへしこを樽から取り出し、袋詰めする作業を行った。

 へしこは、サバを秘伝の調味料と糠(ぬか)とともに樽の中に入れ、1年間漬け込んで作る伝統の保存食。サバは寒い時期に捕った脂が乗ったものが適しているとされるが、同会では年間を通して脂が乗るノルウェー産を使用しているため、季節にかかわらず、おいしくできあがるという。

 約70樽分の約6500匹を海沿いの船小屋で漬け込んでいる。夏は極暑、冬は冷たい潮風が吹き込む船小屋で漬け置くのが、おいしく仕上がるこつという。この日は2018年11月に漬けた3樽分計約90匹を取り出し、形などを丹念に確認しながら袋に入れていった。町内のスーパーや道の駅、全国の飲食店、消費者に発送する。

 「へしこは、漁に出られない冬の貴重なタンパク源だった」と話す女将の会の加藤美樹子会長(76)は、「昔よりもへしこを食べる人は少なくなっているけれど、従来よりも塩分を控え、食べやすいまろやかな味わいに仕上がるように心掛けている。美浜の漁師町に長く愛されている味を多くの人に食べてもらいたい」という。

 女将の会への注文は電話で受け付けている。同会=電話0770(32)0361。

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