• 祝い年の紅白餅と一緒に祭壇を設け、山の恵みに感謝する氏子ら=9日、小浜市甲ケ崎の白鬚神社
  • ヘッドライトの明かりでみそぎの言葉や祝詞を読み上げる小南さん=9日、小浜市堅海の久須夜神社
  • 山の神にささげたみそぎの言葉=9日、小浜市堅海の久須夜神社
  • 山の口講で供えるために調達し保存してオコゼ=9日、小浜市堅海の久須夜神社
  • 紅白餅と一緒に祭壇を設け、山の神に祈る氏子ら=9日、小浜市甲ケ崎の白鬚神社
  • 米寿や白寿などの記念に奉納された紅白餅=9日、小浜市甲ケ崎の白鬚神社
祝い年の紅白餅と一緒に祭壇を設け、山の恵みに感謝する氏子ら=9日、小浜市甲ケ崎の白鬚神社

 山の神に感謝する伝統行事「山(やま)の口講(くちこう)」が12月9日、福井県小浜市内各地で営まれた。神社の氏子たちが水や作物といった山の恵みに感謝し、山での作業を安全に行えたことなどにも手を合わせ、集落の安泰を祈願。オコゼを供えるという特殊な風習が残り、七五三や厄払いを兼ねたところもあり、同じ伝統でも各区で多様性がみられた。

 同市堅海では、山の神にオコゼを供えるのが昔からの習わし。山の神は不細工な女神といい、それ以上に醜いオコゼを供えることで機嫌が良くなるとの言い伝えがある。この日のために前々からオコゼを用意していくという。

 星がまだ瞬く午前5時半すぎ、禰宜(ねぎ)代理の小南昭典さん(60)が、久須夜神社境内にある山神社を1人で参拝。オコゼや飯米で作った餅などを準備し、火打ち石の火花で清めた後に供えた。暗闇の中でヘッドライトを頼りに、紙に書かれたみそぎの言葉や祝詞を読み上げた。「田んぼにしろ何にしろ山から来る水のおかげ。続けられる限りはこの行事を続けていけたら」と手を合わせた。

 同市甲ケ崎では、氏子約50人が白鬚神社に集まった。山の口講のほか、七五三、喜寿や米寿といった祝い年、厄年のおはらい、新年を迎えるに当たり心身を清めるおはらいを兼ねており、祭壇の前にはお祝いの紅白餅がずらりと並んだ。氏子総代の永井良治さん(71)は「無事終わってほっとした。これで新年を迎えられる」と表情をほころばせた。

 このほか加斗、宮川など各地区でも山の口講が行われた。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。)