かがり火で生せんべいを焼き、無病息災を願う参拝者=20日夜、敦賀市栄新町

 380年以上続く伝統行事「せんべい焼き」が11月20日夜、福井県敦賀市栄新町の天満神社境内で営まれた。参拝者は、火の粉が舞うかがり火で、青竹の先に挟んだ生せんべいを焼いて無病息災を祈願した。

 境内にある恵美須神社で毎年この日に催され、天満神社氏子らが受け継いできた。神事後、田村典男宮司らが点火。氏子らの願いが込められた祈とう木を投げ込んで炎を大きく燃え上がらせた。参拝者は、長さ約3メートルほどの青竹の先に生せんべいを挟み、炎に近づけて焼き上げていった。

 せんべいは食べると悪病をはらい、無病息災、家内安全の御利益があるとされる。世話方の男性は「たくさんの人が来てくれてうれしい。せんべい焼きができる幸せを分かち合いたい」と感慨深げに話していた。
 

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