福井県美浜、若狭両町にまたがる三方五湖有料道路「レインボーライン」が10月1日に無料化され誘客増に期待がかかる一方、休日は一層の渋滞発生が懸念されている。県や町、山頂公園の運営会社は、混雑状況を確認できる仕組みと路線バスを土日祝日に試験的に導入を開始した。利便性を高めレインボーラインを核にした周遊観光を促す狙い。
管理してきた県道路公社が9月末に解散するため、県道に移管し無料開放する。県道路建設課によると、不法投棄や暴走行為を防ぐため、通行できるのは午前8時~午後6時。従来通り自転車や歩行者は入れない。
県や両町でつくる三方五湖エリア全体協議会などは10月10日まで、レインボーラインをはじめ観光地11カ所の駐車場の混雑状況を発信する。観光地の写真や紹介文も載せ、待ち時間を有効に使って周遊観光へ促す。
両町の観光協会や各観光施設のホームページで、駐車場の混み具合を「満車」「やや混雑」など4段階で通知。幹線道路の状況も山頂公園の運営会社レインボーラインのSNSで発信する。道の駅三方五湖、ドライブイン「五湖の駅」には電子看板を置く。
県などは情報発信や路線バスの試験運行結果を見て本格導入を検討する。県の担当者は「北陸新幹線敦賀開業を前に受け入れ態勢を整えたい」と話した。
レインボーラインの石田社長によると、コロナ禍でもレインボーラインを訪れる人は増えているという。
無料化後、山頂公園下の第1、2駐車場は有料になる。軽乗用車を含め普通車は500円、バイクは300円。10月8、9、10、15、16日は駐車場を予約できる。130台分用意。問い合わせはレインボーライン=電話0770(45)2678。
駅からバスで山頂公園へ、役場はパークアンドライド駐車場に
昨年JRの利用者らに好評だった路線バス「ゴコイチバス」が再び登場する。今年は停留所を増やし利便性を高めた。両町役場をパークアンドライド駐車場とし、渋滞緩和も図る。
ゴコイチバスは昨年11~12月に導入。車などでしか入れない山頂公園もルートに入れ、JR利用者らのニーズに応えた。県嶺南振興局によると、延べ530人余りが利用したという。
1日8便でJR敦賀駅や美浜駅が発着点。停留所は16カ所あり、観光地に加え日本海さかな街(敦賀市)など土産物店も止まる。2日間乗り放題券や山頂公園の入園券などのセットがある。運行は12月11日まで。
ゴコイチバスに合わせ、若狭町は山頂公園と道の駅「若狭熊川宿」を結ぶ「クマゴコバス」を1日6便運行する。11月27日まで。
パークアンドライド駐車場は計170台分ある。
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