旗頭などの装具や山車の模型が並ぶ企画展示=敦賀市みなとつるが山車会館

 福井県敦賀の山車(やま)の歴史と関連が深い商人に焦点を当てた企画展示「あみやさん家(ち)の山車のお道具~北前船主とつるがの山車~」が敦賀市みなとつるが山車会館で開かれている。近世敦賀湊を代表する商家「網屋伝兵衛家」に保管されてきた装具類や山車の模型が並ぶ。10月16日まで。

 同家は江戸時代中期ごろから廻船業を営み、北前船主として活躍。複数の山車を所有していた。同館の担当者によると、山車を出すには多額の費用がかかるため、財力を持っていた証しと言えるという。

 舞台座後方の左右の旗竿(はたざお)の先に取り付けられる「旗頭」は太陽と月に見立てた金銀の玉と同家の家紋「繋(つな)ぎ四つ目」をかたどった三方正面からなる。銀の旗頭は変色して黒くなっている。玉の大きさは直径34・5センチで現在のものの2倍ほどあり、所有していた山車も大きかったとうかがえる。

 山車の模型は繊細に作られていて、武者人形や馬も実物を忠実に模している。舞台座の床板の裏に一部を新調したと墨書されていて、傷んだ部分を修理して大切に引き継がれてきたと分かる。装具類を保管するための箱や欄干、陣がさなども展示している。

 毎週月曜と10月11日休館。10日は開館する。
 

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