鯖街道の針畑越えルート途中の休憩所に立ち寄る参加者=16日、小浜市上根来

 鯖街道を自転車でたどり、京都の食文化を支えた御食国の歴史や文化を感じてもらう外国人向けツアーの商品化に向け、福井県小浜市の第三セクターまちづくり小浜は、9月15~18日に3泊4日のモニターツアーを実施した。鯖街道終点の京都市内から小浜市を経由して敦賀市へ向かう約160キロを試走し、サイクリングコースとしての魅力を確認。モニターの意見を踏まえ、来春の販売開始を目指す。

 鯖街道サイクリングについてはこれまで、市や街道を生かした地域づくりに取り組むNPO法人などが連携し、モデルコース策定やマップ作成を実施。有名観光地を見学するのでなく、日本の文化をより深く体感したいというインバウンド需要の取り込みに向け、同社が本年度にツアー作成に着手した。

 ツアーは、複数ある鯖街道のうち最短の「針畑越えルート」を2日かけて走破する。小浜市の神宮寺など寺社にも立ち寄り、歴史を感じながらかつての人々の往来に思いをはせる。同市から敦賀市までは、豊かな海の幸を恵む若狭湾沿いを通る。モニターとして自転車愛好家ら外国人3人が参加し、同社のベーウィッグ・ジョシュアさんがガイドを務めた。

 モニターツアー2日目となる16日、一行は滋賀県のキャンプ場を出発。鯖街道で物資の取り次ぎをした同市上根来の集落にある休憩所で一服したあと、小浜市中心部で宿泊した。オーストラリア出身の男性は「山や田んぼなど、ザ・日本という原風景を楽しめた。自転車だと気になった場所で立ち止まって地元の人と話すこともでき、異なる文化を感じられる」と魅力を語っていた。

 ツアーでは電動アシスト付き自転車を貸し出す予定で、ジョシュアさんは「坂道も楽に走れるので、自転車の経験がない人にも楽しんでもらいたい」と話した。年内には、自転車に関連する企業やメディアを招きツアーをPRするイベントを予定している。

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