• 日本の食文化を支えてきた道具を紹介する企画展=15日、小浜市食文化館
  • 小麦や大豆などを粉にする石の挽き臼や餅をつく木の臼
日本の食文化を支えてきた道具を紹介する企画展=15日、小浜市食文化館

 食生活の発展に欠かせなかった調理道具を紹介する企画展「-日本の食文化を支えた陰の立役者-実はすごい!! 道具たち」が、福井県小浜市食文化館で開かれている。粉食普及に大きな役割を果たした挽き臼、みそ汁誕生に貢献したすり鉢などの資料約140点を展示。現代の食につながる、知られざる道具の活躍を知ることができる。入場無料。

 同市御食国(みけつくに)大使で、同館に食品レプリカなどを提供してきた伝承料理研究家が、多くの人に見てもらいたいと、収集した国内外の調理道具を寄贈。これを受けて今回の展示を企画した。

 道具の登場と食文化発展の歴史をパネルで説明。江戸時代に普及した石の挽き臼は、製粉作業を簡単にする画期的な道具として重宝された。小麦やソバ、大豆の加工が広がり、まんじゅうやらくがんなど菓子作りにも活躍した。使ううちにすり減ってしまう溝を刻み直す「目立て」の職人が巡回し、単調な作業を楽しむため各地で「粉ひき唄」が生まれたことからは、生活との結びつきの強さがうかがえる。

 すり鉢、すりこぎは、寺院を中心に鎌倉時代から普及し始めた。それまでおかずとして食べられていたみそをすることで溶けやすくなり、みそ汁誕生につながったとされる。ほかにも、わさびやしょうがといった薬味に欠かせないおろし器、中国やスペインなど外国で香辛料をつぶす際に使われた道具なども展示、紹介している。

 同館の担当学芸員は「身近なようで、道具の果たした役割は知らないことが多くておもしろい。現代では便利な機械もあるが、調理の楽しさを見直すきっかけにもなれば」と話した。

 展示は来年2月14日まで。午前9時~午後6時(11月からは午後5時まで)開館で、水曜休館。

(※福井新聞社提供。無断転載を禁止します。記事に関するお問い合わせは福井新聞社へ。)